ジョージア戦振り返り&イタリア戦勝利のポイント

どうも皆さんこんにちは、スシ丸です。今日は先週の振り返り(あっさり)と明後日に迫ったイタリア戦の勝つ為のポイントを書いていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

まず先週のジョージア戦ですが、結果は23-25で敗戦。日本は20分に出たレッドカードと後半のイエローカードも重なり落としてしまいました。試合後に齋藤選手もレッドカードが提示されイタリア戦には出場できません。

試合内容を見ていくと、まずポイントに挙げたキックですが、齋藤選手のキックが素晴らしく、そこでエリアマネジメントがかなりうまく進み、前半途中まで優勢に戦うことができました。一方数的不利になった後の時間帯、スタンドオフの李やフルバックの矢崎、CTBライリーからのキックは効果的なものが少なくエリアマネジメントで苦戦し、FWでプレッシャーを受け続ける展開が続きスコアをうまく伸ばすことができませんでした。ここはイタリア戦でスタメンに代わった小山-松田-ライリー-長田のワイルドナイツラインで息の合ったチェイス、キックに期待します!

試合に戻りますが、日本代表は後半、ジョージア代表にイエローカードが提示され数的不利が解消されると一転FWが粘り強いアタックを見せ、内側にDFが寄った所を外に展開しWTB長田がトライ。ゴール前トライのお手本のような形でトライを取れたこと、この価値はイタリア戦に向けてとてもポジティブな要素です。なぜなら今までエディジャパンは初戦イングランド戦、続くマオリオールブラックス戦の試合の入りは素晴らしく、試合序盤の速い仕掛けでトライをあげることが多かったです。が、ゴール前のいわゆる「取るべき(取れる)場面」でスコアしきれない、粘り強く攻め続けてスコアするような場面が無いことがチームがまだ習熟しきっていないことの証左だったと思います。ポジティブな目線ですが、これがジョージア戦で体現できたことは、少しずつエディジャパンがチームのコンセプトである超速ラグビーと自分達がリーグワンで培ってきた試合感覚を上手くミックスできて来ているということだと思います。試合には負けてしまいましたが、個々やポイントポイントを見るとポジティブな要素も多く、この(13人での戦いという)経験を含めて次に繋がる試合だったと思います。

何より、仙台の観客、ファンの皆様の雰囲気が最高でした!地方開催、(リーグワン含め)僕は大賛成です。

さて、ここからはイタリア戦メンバーと、勝つにはどんな事が必要か3つに絞って書いていきます。

FWから、1~3番は変更なし、 ロックにディアンズと熱い男桑野が抜擢です!6~8番には運動量豊富なリーチ サウマキ マキシが先発し、BKはハーフ団は地元凱旋の小山×松田の旧ワイルドナイツコンビ。

CTBとバック3は変更なしで、控えから経験豊富な坂手と岡部、為房、ワクァ、タタフとインパクト大のメンバーに。また藤原 李 山沢らがBKの控えに回りこちらもゲームチェンジャーとして活躍してくれることでしょう!

さて、ここからが本題の勝利へのポイントですが、1つ目に挙げるポイントはSO松田のキック(エリアコントロール)です。ジョージア代表よりさらに接点でのプレッシャー、DFの強固さがあるイタリア代表なので、松田選手はより高いレベルでロングキック、ハイパント、キックパス、チップキック、グラバーキック、リスタートキック…様々なキックの種類、またシチュエーションに対応して最適な判断と質の高いキックを蹴らなければなりません(もちろんプレスキックも!)。逆に松田選手、また小山選手から有効なキックを蹴る事ができれば、強力なワークレートの高いFWパックを持つ日本はかなり試合を優位に運ぶことができると思います。

2つ目のポイントはそのFWパックの主戦場でもあるスクラムです。イタリア代表と日本代表のそれぞれのFW8人の総体重や平均体重、最高身長等は以下の通り。

日本イタリア
総体重893kg869kg
平均体重111.6kg108.6kg
最高身長201cm(ディアンズ)202cm(5番ザンボニン)
平均身長188cm188cm

日本は総体重で優っていますが、ティア1のテストマッチではそれほど数字のままの優劣はつきません。総体重差が100kg程度になると技術では覆せなくなると言われます。逆に言うとこの数字差であればスクラムの組み方、勢い、体力、(低さ)etc…様々な要因で勝負は決まります。私見ですが、今の日本代表のフロントロー3人のスクラムは過去の日本代表の中でも1・2を争う屈指の強さです。ぜひイングランド戦で見せてくれたような力強いスクラムでイタリア代表からペナルティを取りたいですね!当日現地の方もテレビの方もここは要注目です。

3つ目は試合の入り10分。ここ4試合、エディジャパンは試合の入りの10分が非常に良い形で入れています(4試合すべてで10分以内に得点、かつ4試合全てで先制点を奪う)。この入りの良さはもちろん齋藤選手のキックなど、彼のゲームコントロールもありましたがチーム全体としてのゲームの入りの集中力は目を見張る良さがありました。これが疲労のたまってきた4連戦最後のイタリア戦でも発揮できるか、言うまでもなくテストマッチにおいて先制点は非常に大きな意味を持ちます。またもし先制しいい形で試合に入れたならば、「エディジャパンとは」という超速ラグビーと同じようなアイデンティティになりうると私は思っています。現代表は「試合の入りが非常に良い」ジャパンだ、と記事に書かれるかもしれません。そういった意味でも、自分達の自信になるという意味においても試合開始の10分間どちらがゲームを支配するかは重要ですし、注目です。

以上、松田選手のキック、そしてスクラム、入りの10分、この3つがいい形でゲームで現われれば、イタリア相手に2018年以来の勝利も可能だと思います。そんなこと無理だと思われる方は大人な対応で流してください(笑)私はラグビーの面白さを一人でも多くの人に知ってほしいと思いこのブログやSNSを始めております。なので基本ポジティブ方向にしか発言も記載もするつもりはありませんが、そういったことが受け入れられる方はぜひ今後とも読んでいただき、一緒にラグビーを楽しんでいただければ嬉しいです!

ここまで読んでいただき本当にありがとうございます!それでは日曜、札幌にて熱い試合を期待しましょう!!!ありがとうございました!

エディジャパン第2戦 ジョージア戦ポイント

皆さんどうもこんにちは。スシ丸です。今日は明日に迫ったエディジャパンテストマッチ第2戦の勝つための焦点になるポイントを見ていこうと思います。よろしくお願いします。

互いの先発メンバーはこちら

まずはジョージア代表のメンバーについてですが、きっと名前を言ってもピンとこない方がほとんどだと思います(自分もそうです)。ですのでチームの特徴や戦績は後に解説するとして、身長、体重、年齢だけざっくりとこんな人達と戦うんだと見ていただければと思います。

name身長(cm)体重(kg)年齢
1Giorgi Akhaladze18612824
2 Vano Karkadze 17811023
3 Irakli Aptsiauri 18512620
4 Vladimer Chachanidze20011023
5 Giorgi Javakhia 19412427
6 Giorgi Tsutskiridze 18710527
7 Beka Saghinadze19111025
8 Beka Gorgadze(C)18911027
9 Mikheil Alania 1808323
10 Luka Matkava 1818022
11 Alexander Todua1819036
12 Giorgi Kveseladze 18510026
13 Demuri Tapladze1929123
14 Akaki Tabutsadze 1838926
15 Davit Niniashvili1868921
平均18710324.8

平均年齢は24.8歳と若く、特にフロントロー3人とハーフ団、FBというチームの主軸の年齢が若くかなり勢いがつけたくない相手です。逆に経験値という意味では日本とイーブンとも言えるので、勝つ戦術で挑まなければいけません。

続いてジョージア代表の直近成績ですが

2022テストマッチ→ ⚪︎イタリア28-19 ⚪︎ウルグアイ34-18 ×サモア19-20 ⚪︎ウェールズ13-12

2023テストマッチ ⚪︎アメリカ22-7 ×スコットランド6-33

2023ワールドカップ ×オーストラリア15-35 △ポルトガル18-18 ×フィジー12-17 ×ウェールズ19-43

このようになっています。世界ランキングもお隣の13位ですし、油断できる相手では無いのは間違いありません。

次に日本代表のメンバーですが、まずフロントロー3人はイングランド戦と変わらず茂原・原田・竹内の強力な布陣。ロックにリーチとディアンズが先発で、リーチは大学生ぶりのロックでの先発です。バックロー(6,7,8番)はまずフランカーにマキシ、山本が先発。正直ここが一番サプライズでした。マキシはリーグワンで今季No8しか出場が無かったので、ここでフランカー起用するか!と。下川選手の起用は納得です。マオリオールブラックス戦ワークレートも高く、オーバーやキャリーでしっかり持ち前の強さを発揮していました。最後にゴジラタタフは言わずもがな。そのパワーを観れるのが楽しみで仕方無いですね!

次にBKですが、ハーフ団はイングランド戦から変わらず齋藤×李のコンビ。このコンビが現状一番やりたいラグビーができるということでしょう。そしてCTBにトゥア×ライリー、そしてWTBに長田×ジョネ。ここはトゥアがマオリオールブラックス戦で魅せた連携を考えれば納得ですし、風邪のライリーは本当にもう風邪ひかないで欲しいです。長田のWTB起用はワイルドナイツではWTB起用ですし、例えば根塚選手と比較した時にアタックでそれほど差が無いのであれば、キックもでき、ハイボール処理もより安定する、またライリーとの連携も取れている長田をピックするのは自然だと思います。この長田選手のWTB起用があるからこそ、この勝たなければいけない一戦にFB矢崎選手で迎えられるのだと思います。矢崎選手の課題はエリアマネジメント(キック)ですので。そこがきつければ早めに山沢選手との交代もありうると思います。最後に控えは初キャップが小山選手(待望!)と岡部選手です!祝いましょう。

ではここから本題のジョージア戦のポイントです。この試合、ポイントは【キック】これに尽きると思います。ジョージアと聞いてまず頭に浮かぶのはその体の大きさ、強さですが、裏を返せば日本の方が素早く、体力も多く動くことが可能です。単純な接点では負けてしまう可能性もあるので、試合を優位に運ぶためには体の大きいジョージアフォワードを背走させるようなキックがより重要になります。イングランド戦では酷使されていた李選手ですが、WTBに長田選手、CTBにライリーが来たことでかなり負担は減ると思います。

ではどんなキックが重要になってくるか?これは複数ありますが、まず1つ目はボールの再獲得を狙ったハイパント。こちらは齋藤選手がマオリオールブラックス戦でも素晴らしいキックを蹴っていましたので、SHから蹴っていくと思います。(正直李選手からも蹴れて欲しいですが…)2つ目はテリトリーを得る目的のロングキック。こちらは齋藤選手からや李選手、また風邪から帰ってきたCTBライリーもロングキックが蹴れるので、ここは選択肢が比較的豊富です。主にこれら2つのキックをベースにとにかくボールを止めない、相手FWを背走させ走らせる。そして疲れたところでフィジカルで優位に立つ。これが最も理想な展開といえると思います。

もちろん、現実ではそんなうまく事が運ぶとも思いませんので、他の局面についても少しずつ。

まずはスクラム。高温多湿な試合環境ではイージーミスは必ず起こります。その際にスクラムが勝てるのか?イングランド相手にやれていたので勝てる!と言いたいのですが、メンバーが変わっているので、なんとも言えないのが正直なところです。リーチのLO起用やマキシのフランカー起用など未知数な部分が多いです。ただここでもしスクラムで圧倒するようなことがあれば、日本のスクラムは真に世界に通用すると言っていいと思います。注目しましょう!

そして次の局面はラインナウト。こちらは私が心配している部分でもあります。まずイングランド戦からワクァやコストリーが控えに回ったことでスタメンの身長がぐっと下がっています。2m越えがディアンズしかいない事、またジョージアにも2mの長身FWがいるので、イングランド相手に見せたような安定したラインアウトが可能か心配な所です。ここは原田→ディアンズの東芝lineに頼むしかありません。

最後に自陣ゴール前、相手陣ゴール前での攻防。ここはまず、自陣ゴール前のDFに関しては強靭な肉体を誇るジョージア相手にはかなり厳しい戦いになります。確かにタタフやリーチを筆頭に日本代表もフィジカルはかなりレベルが上がってきましたが、同レベルのフィジカルを持つ相手に50㎝進ませないディフェンスをずっと繰り返すのは至難の技です。流選手も仰ってましたが、テストマッチではトライを取られた原因のミスを責めるよりも、22mの中に入られた原因(ミス)を考える方が大切です。それも含めて、規律やエリアマネジメント(キック)がより重要になると考えています。

変わって相手ゴール前、つまりチャンスの局面では正直、ゴリゴリトライを取りに行ってほしいです。今までの日本代表はどちらかというとアンストラクチャー(整っていない状態)からや、外に回して点を取るような得点パターンが多かったのですが、タタフというフィジカルモンスターや茂原、原田、竹内らキャリーの強い日本人も増えました。ここでティア1諸国(世界ランキング1位~10位)がゴール前でゴリゴリフォワードで勝負してトライを取るように、日本が得点を挙げることができれば、それは今後の日本代表の武器にも自身にもなります。ぜひここでチャレンジして欲しいです。もっと言うと本人たちもフィジカルバトルでは勝ちたいと思っているはずですので、モール含めごりごりフォワードが行く場面は必ずあると思います。そこで勝てるかどうか、いや、勝てるように仙台で、テレビで応援しましょう!

ここまで読んでいただき本当にありがとうございます!それでは次回はジョージア戦、試合の振り返りでお会いしましょう!

エディジャパン初戦を振り返る

どうも皆さんこんにちはスシ丸です。今回はエディジャパン初戦となった6月22日のイングランド戦を振り返っていこうと思います。それではよろしくお願いいたします。(スコアは17-52でイングランドの勝利)

まず、前回の注目ポイントでもあげた3つのポイントに基づいて振り返っていき、その後良かった点、悪かった点を見ていきます。

1つ目のポイントであげたスクラムですが、特に先発フロントローの茂原・原田・竹内の3人は下馬評を覆した素晴らしいスクラムでした。前半の8つのスクラムのうち(日本ボールが3、イングランドボール5)被ペナルティ2、ペナルティ獲得2で数字で見てもイーブンの結果です。さらにそのペナルティも、完全に押し負けたスクラムは無く、いずれも押し負けではなくイングランドに引き落とされた、つまり技で負けたようなスクラムでした。力勝負で競っていたからこそイングランドは引いて反則を誘うような技術戦に持って行った形ですね。逆にペナルティ獲得した際は完全にスクラムで押し勝っており、本人たちも試合後に押し勝てると思ったと話しており、日本のフロントローがイングランドに押し勝つ、まさに新しい時代を見ているような気がしました。むしろそこで競っていたからこそイングランドが押し勝つスクラムから落としたり、引いて反則を誘うような技術戦に持っていかれた形でした。余談ですが、竹内選手は入替戦含め今季Div2で12試合の出場でプレータイムは420分、スタメンが6試合、平均タイム40分弱とそれ程多くない中POMを2回受賞、またチームのスクラム成功率はDiv2圧倒的1位の87%(平均79%)でそのスクラムの強さでDiv1昇格の原動力となったことは間違いないでしょう。そんな彼がエディジャパンに選出され、かつ初戦となる日にあのパフォーマンスを見せたことは素晴らしいと思います。

2つ目のキックカウンターですが、ここで日本はぼこぼこにされました。実際先日の日本のバックスリー(WTBとFB)は最高身長が矢崎選手の180㎝とテストマッチで戦うにはかなり小柄でした。どの国にもスピードやパワーを武器にする小柄な部類の選手はいますが(南アのチェスリンコルビ、イタリアのモンテカプッツォなど)、他の2人をハイボールに強いメンバーを置くことが多く、日本の根塚、ジョネ、矢崎の並びはイングランド目線言葉を選ばず言うとカモに見えていたと思います。実際そこにイングランドは前半SHのアレックスミッチェル選手の高弾道のハイパントから何度も再獲得し、チャンスを作っていました。逆に日本は矢崎選手以外の2人がハイボールに競れない、蹴れないので(ここは明確な根塚、ジョネ両選手の課題です)SOの李承信選手がキック処理に下がり、ハイボール処理も行っていました。ここで考えていただきたいのですが、日本のハイテンポな攻めでこの試合SOはかなりの距離を走り、判断しまたアタックを仕掛けていました。そんな中キックの競り合いも行き、その後のアタックも組み立てる。かなり負担が大きい事がわかりますよね。ただしキック処理関係はバックスリーの経験値、成熟度合いがもろに出る部分なのでこれから彼らがエディの元成長してくれればと思います。目指せ福岡堅樹選手or山中亮平選手です。

次に3つ目にポイントとして挙げたアンストラクチャーですが、こちらは素晴らしかったです。日本がイングランドから奪った2トライはどちらもアンストラクチャー(陣形が整っていない状況)で、1つ目はラインナウトから山本凱選手がラインブレイクした後松田、ディアンズと繋ぎ根塚がフィニッシュ。トライを奪った根塚選手もですが、松田、ディアンズ選手のランコースとパスのタイミングが素晴らしかったです。2つ目のトライはプレッシャーを受けた松田選手がディアンズにパスしたほぼパスミスのボールをディアンズの長い手が回収しラインブレイク。何より素晴らしかったのはラインブレイク後(中)の山沢選手の反応でした。一瞬で加速し追いつくとフォローコース、コミュニケーションも完璧でまさにアンストラクチャーからのトライの取り方、チャンスの掴み方としては最高のトライでした。どちらのトライもフェーズ(ラック)を重ねずスパっと取りきっており、超速ラグビーにおける反応の速度が高く良かったといえるでしょう。

さて3つのポイントから見てきましたが、そのほか良かった点、課題点も見ていきましょう!

まず観ていて一番「ああ、凄いな日本」と思ったのが、ラインナウトの獲得率です。おそらくここまで安定してティア1相手にラインナウトができたのは初めてではないでしょうか。原田の安定したスローイングにディアンズ、ワクァ、リーチ、コストリーの圧倒的な身長とウイングスパンで観ていて正直イングランドはほとんどのラインナウトで競ってきていなかったように感じました。実際競っていた場面もあったかもしれませんが、それを感じさせない安定感でしたね。イングランド含めたFWの最高身長は上からディアンズ→ワクァらしいです。最高ですね(笑)

次に感じたことですが、まず全体として”日本のDFが弱すぎる”という意見が試合後散見されました。結論から言うと、しゃーないです。それ以外ありません。嘆きたい気持ちはわかりますが合宿中から怪我人も4人出て当日もライリーが欠場で急遽入ったトゥア選手が出場と難しい状況でしたし、何よりまだ始動2週間です。昨年のメンバーもほとんどいない若手主体のメンバー構成というのもありますし、個人、また組織ディフェンスは両方構築に最も時間がかかります。それはエディも以前「日本と世界のトップの一番の隔たりはディフェンス力。最も時間がかかるのでそこから取り掛かり始めようと考えている」と話していますし、相手は昨年のワールドカップ3位です。自分なら2週間でエディ以上にチームをまとめつつアタックもあのレベルでまとめつつセットピースも完成させ、ディフェンスをうまく仕上げられて批判されないレベルに持っていける、もっと言うと具体的にこうしたらよかったと指摘できる方はリプライください。そのディフェンス理論教えてほしいです。あまりの批判の多さに中の人は思ってました。素直に応援しようや!!!って。余談は以上です(笑)

本題に戻ると、エディのやりたいテンポの速いラグビーは見えましたが、一方足りない部分も見えてきました。具体的には一次攻撃後のアタックにおいてバックスのアタックラインが1列(ダブルラインが引けていない、スイベルパス(後ろ方向へのパス)が前半ほとんどない)ことで相手が的を絞りやすく、また攻撃のバラエティも足りていないように感じました。ここは李選手が今後引き出しを増やすこと、FWとBKの連携を高めていくことで解消していくかと思います。後はラインナウトからマーカススミスにトライを取られたシーンは完全に反応が遅れて後手の対応になっていましたし、後半の自陣敵ラインナウトでイングランドが遅延行為した際、審判が遅延行為で日本ボールにしてくれたのですが、その反応もまだまだ”超速”の域には至っておらず、反応、判断の速さはもう一段上げられるなと感じました。その点、カメラには抜かれていなかったのですが、後半山沢と松田がトライを取られた後クイックスタートで始めようと試みていた事は良い判断で目指すべき一つの形だと思います。

次にイングランドですが、様々ありますが1点だけ、ボールキャリアに対して走りこむプレーヤー(ボールをもらう側)のスピード、力強さがえぐかったです。日本は接点での力勝負というよりも事前の走り込みのスピード差で食い込まれていたように思います。イングランドが毎年6Nationsでしのぎを削っているその経験値が出ているようで、素直に素晴らしかった。

最後に諸々ですが、キックカウンターの部分で書いた通り、李選手はキック処理含めて使われすぎなことが懸念です。ただ彼のムーブアタック、飛ばしパスの判断などは素晴らしかったです。長田選手はライリーの急遽欠場もあり連携もへったくれもなくなった両CTBの状況で奮闘していました。次戦ではステップワークを活かしたランが観たいですね。またライリー不在によりアウトサイドセンターからのキックも選択肢としてなくなったこともかなり痛かったです。ポジティブな部分としては根塚選手の体幹の強さを活かしたキャリーやジョネの破壊力はイングランド相手でも通用した事、矢崎選手は積極的なランもあり経験が積めたことは大きなプラス要素でした。矢崎選手はリーグワンすら、プロレベルすら経験していない中で世界3位との対戦ですからね。あのパフォーマンスは誇っていいと思います。

以上です。ここまで読んでいただき本当にありがとうございます!次回は週末のJAPAN XVとマオリオールブラックス戦ですね、今回よりさらに若手のメンバーになることは間違いないと思います。楽しみましょう!小山選手出てくれー!

エディジャパンvsイングランド戦 注目ポイント3選!

どうも皆さんこんにちは、スシ丸です。いよいよ明後日に迫ったイングランド戦、メンバー発表もあり期待も高まっているかと思います。そこで今回は試合の予想も交えつつ、いざ観戦するときにどこを見ればもっと楽しいか、誰がどんなプレーで魅せてくれるのか語っていこうと思います。

まず前提知識として、今の日本の世界ランキングは12位(74.27ポイント)で対するイングランドは5位(85.75ポイント)と大きく差があります。さらに直近のラグビーフランスワールドカップでは日本は予選敗退に対してイングランドは3位、その後の欧州最強を決めるシックスネーションズでも優勝したアイルランドを破る金星を挙げています。今回代表メンバーの総キャップ数は、日本は169(うちリーチ84)でイングランドは522、圧倒的な経験値の差もあります。決してなめ腐っていい相手ではなく、楽観できる相手でもありません。ではこの前提のもと試合の注目ポイントを見ていきましょう!

この試合のポイントは3つです。1つ目はスクラム。2つ目はキックカウンター。3つ目はアンストラクチャーです。順番に見ていきましょう。

まず1つ目のスクラムについて。イングランドは伝統的にセットピース(スクラム、ラインナウト)が強力で、本国の雨が多い気候もあり、スクラムからペナルティ奪取→PGで3点を積み重ねて勝つスタイルが象徴的です。実際スタメンのフロントロー3人の総キャップ数は217とこの3人だけで(実際はジェイミージョージとダンコールの2人で212キャップ)日本代表全員の総キャップ数を上回り、つまりそれだけ経験値も、実力も高いフロントローがそろっています。

そんな中戦う日本のフロントローは茂原、原田、竹内の26歳、25歳、24歳と若い3人です。茂原はリーグワンでも屈指のスクラムを誇る静岡ブルーレヴスのコーチ陣において、「今一番うちで強いスクラムが組める」と言わしめた逸材です。原田は東芝においてそのスクラム、ラン、パスどれをとっても高水準に遂行でき、ラインナウトも安定している今最も勢いのあるHOです。さらに竹内は元No8でランもパスもできる万能なプロップ、トライアウトを受ける日に初めてプロップを試してみたという逸話がある強心臓、かつ急成長中の26歳です。ここまででお分かりの通り、スクラムが通用するか?と言われると難しいだろうというのがスシ丸の意見です。しかし、そこはこれから経験を積めばいいところ。むしろ彼らのラン、パス、タックル、ヒット(もしかしたらキック)に注目してもらえれば面白いと思います。

次にバックローですが、ここは福井とガンターが負傷離脱した影響もあり、リーチとコストリーが6,7番に。タタフの合流の遅れもあり8番はマキシになりましたね。これ、大事なところなんですが、4~7番まで全員ラインナウトのジャンパーできるんです!身長的にもここは相手に大きくプレッシャーをかけられるところだと思います。

一人一人見ていくと、4番近鉄ライナーズのワクァは独特のボールキャリーと長いウィングスパンで強烈なアタック力がありますし、若干22歳のワーナーは強いボールキャリーに加えてその圧倒的な体躯を活かしたチョークタックルは彼唯一の武器です。リーチは言わずもがな、34歳ながら肉体のキレ、フィットネスは衰え知らずで日本の支柱です。7番のコストリーは23歳、今季神戸スティーラーズにおいてアーディと共にシーズンを戦い抜いたディアンズと共に日本の若き逸材です。ハードワークでチームに貢献する彼はきっと日本のこれからの力になります。最後にNo8のファウルアマキシですが、彼は重量級FWの揃うクボタにおいてスクラム最後方を張り続けた27歳。持ち前のパワフルなキャリーがイングランドにどこまで通用するか、またDF面でどこまで前に出て止め続けられるか、同じNo8のタタフが強力なライバルである以上、ここが彼が今後定着するためには必須でしょう。

まとめるとスクラムは劣勢になるかと思います。よって敵ボールのスクラムの数を減らす、また可能な限りラインナウトを増やす(ようなキックを蹴る)ことが重要になってきます。ラインナウトの競り合いでは優勢に立てるので、可能な限り競って、モール勝負に持ち込ませないことが重要です(イングランドはモールも強力)。とにかく相手より立って、良い判断をして、味方と連動して相手のギャップ、ラックサイドを立て続けに突破しバックスのスペースを広げる。またゴール前は味方と連携しつつ、勇気を持ってキャリーしトライを取りに行く。この2つが今回日本代表のFW陣ができればFW戦を5分に戦いを持ち込めるはずです。

2つ目のポイント、キックカウンターですがこちらもイングランドは伝統的にハイボールに強く、エリアマネジメントを強く意識した戦い方を得意とするチームですので、いかにエリアマネジメントでしんどい戦いをしないかがポイントです。ここで簡単に”負けない”としなかったのは現実的にキックによるエリアマネジメント単体の比較で日本がイングランドに勝てるか?おそらく難しいからです。今回は神戸スティーラーズの山中選手や山沢拓也選手のようなキックの得意なメンバーがバックスリーにいません。そんな中相手は毎年シックスネーションズ及び南アフリカを含む欧州リーグで早くから鎬を削ってきた猛者たち。日本が目指すべき”しんどくない戦い方”はペナルティを徹底的に排除すること、そこにつきます。単純にハイパントなどで15~30m前進されても1本のペナルティで挽回可能です。よってキックカウンターにどこまで日本のメンバーがアラート高く連携して守れるかが一つ、また今回スタメンSH,SOに抜擢された齋藤選手、李承信選手がチームをコントロールし、キックにせよアタックにせよ単純に焦ってテンポが速いだけでない、良い速さがある”速い”ラグビーを展開することがかなり重要です。

BKそれぞれに注目すると、まず9番に抜擢された齋藤選手、本人も速いテンポのラグビーや代表経験もあるので、サントリーで培った”アグレッシブアタッキングラグビー”を体現してBK全体を良い方向にリードしてほしいですね。SOには松田選手ではなく李承信選手、ここは皆さんもびっくりされた方も多いでしょう。エディの意図としては自身でも仕掛けることが可能で、松田選手よりも動きながらのアタックが得意、かつまだ年齢も若い、このあたりを加味した結果のスタメンでしょう。菅平合宿からエディのラグビーを吸収していたのも大きいかもしれませんね。

次に両CTBですが、ここがイングランド相手に1番戦えるポジションです。断言できます。長田選手にはその体幹の強さ、ステップのキレ、正確な判断で期待しかないですが、プレーが安定している分チャンスの場面ではもう一つ自身の役割にとらわれない、殻の破ったプレーを期待したいと思います。またリーグワンのベスト15にも輝いた13番ディラン・ライリー選手はその圧倒的なスピードとキック、正確なオフロードパスでイングランド代表を切り裂けるポテンシャルは十分です。というか停滞した状態から単独でラインブレイク可能なのは彼とジョネの2人なので彼らがいかにプレッシャーの少ない状況でボールを受けられるか(彼らがボールを持つタイミングで彼らの前にスペースが空いた状態を作り出せているか)がカギになります。

最後にバックスリーですが、まずはジョネですね。圧倒的な加速、フィジカルでリーグワンの強敵を跳ね飛ばしてきた彼に良い球を供給さえできればゲインは確実にできます。またリーグワン決勝で魅せたようにチャンスへの嗅覚も高く、セルフィッシュなプレーも少ない本当にレベルの高いプレーヤーだと思います。ここで世界に彼の名前を響かせてほしい!そしてもう一人初キャップでスタメンに抜擢されたクボタ所属の根塚選手。2年前のクボタ優勝の立役者と言っても過言ではない彼ですが、持ち味はそのスピードと体幹の強さ。小柄ながら倒れない彼のプレーはイングランドに通じる部分はあるので、あとは持ち味を出せるか、持ち味を出すように積極的にプレーができるかがポイントですね。

そしてなんといっても未完の大器、早稲田大学2年の矢崎選手。彼はポテンシャルがプロレベルなのはエディも認めるところ。あとは周りのサポートを受けながらどこまでイングランドに戦えるか。確実にイングランドはここは狙ってくると思います。ポジショニング、ハイボールキャッチ、その後のヒット、ボール処理までプレッシャーをかけてくるのは間違いないので、逆に委縮せず冷静かつ大胆にプレーして良い意味で私たちを驚かせてほしいです。その為にはハイボールで受けるのではなく、少しでも前方にスペースがあればランで勝負する、そこで裏にスペースがあればキックでエリアを取る。そういった積極性を出して経験の無さを打ち消すようなプレーを出せば彼の良さも出てくるかと思います。

まとめると、ポイントとなるキックカウンターではBK3の判断の速さが求められます。3人それぞれ明確な強みがあるので、それを出すのか、出さないのか1プレー1プレーでの判断が非常に重要です。もちろんそれは1人で判断するのではなく、バックスリー全体、また李や長田、ライリーと連携して最適な判断をしていくことができれば私たちが期待する”超速”ラグビーが見れ、イングランド代表に一泡ふかすことも可能だと思います。最後に、基本は3人ともキックを長所とするわけではないので、単純なエリア勝負にもちこませないこと、またハイボール処理では味方がエスコートをしっかりかけることで全員でサポートができるかがポイントになりそうです。

3つ目のポイント、アンストラクチャーですが、これを入れたのには宮崎合宿で行っていた練習が関係しています。紅白戦や実戦形式の練習において、とにかくエディはボールを止めず選手にプレーさせ続けました。自然選手は攻守の切り替えのアンストラクチャーにかなり順応は進んでいると思います。きちっとDFがそろった状態からの打開ではなく、FW、BK入り乱れたアンストラクチャーの状態であれば全員の判断速く外やギャップを突き、イングランドからトライを奪うこともできます。今の若いメンバーたちでも可能です。私はエディのいう”超速ラグビー”の完成形はアンストラクチャーでのアタック及びDFの最適化が必須だと思っています。攻守が切り替わったタイミングでの適切な判断をそれぞれが相手より2歩早く行い、先手を取って仕掛ける。これが可能になれば目標である2027年ワールドカップTOP4も見えてくると思います(もちろんセットピースの強化は大前提ですが)。イングランド戦でもアンストラクチャーにおいて速い判断から日本の良いアタックが展開されること、これが勝利にはキーになってきます。

最後になりますが、1番大切なのは私たちが若く、未来ある彼らを応援することだと思っています。予定の空いている方はぜひ現地で私たちの代表を応援しましょう!ダイナミックプライシングのおかげでチケット安くなっているようですよ。いけない方もテレビで応援しましょう。まだ25歳そこそこの彼らが国を背負って戦うその初戦です。期待と不安入り混じるのは仕方がないですが、私たちが応援せずに誰が応援するんですかって話です。どんな状況でも最後まで戦う彼らを応援しましょう。私も当日は国立で応援します。現地の方は一緒に楽しみましょう!

ここまで読んでくださりありがとうございます!次は試合後のレビューになるかと思います。それではまた!

エディジャパン イングランド戦 メンバー予想

どうもスシ丸です。今日は2週間後に迫った6月22日のイングランド戦のスタメンを予想していきたいと思います。

試合時間、放送予定について

試合開始は6月22日(土)14:50キックオフ 放送は①日テレ(地上波)14:30~17:00 ②JSPORTS1・オンデマンド14:00~ ③Hulu14:30~ の3つです。

・日テレは放送時間の終わりが決まっている為、少しの延長もできずカットされます。ですが嵐の櫻井翔さんや元日本代表の福岡堅樹さん、田中史朗さん、姫野和樹選手などがコメンテーターとして出ることもあるので彼らを観たいならば良いと思います。個人的にはJSPORTS派です。

それでは早速ですが、こんな予想になりました。下に一覧とキャップ数(cp)も載せてます。

 日本代表   cpイングランド代表cp
1番岡部 祟人ジョー・マーラー75
2番坂手 淳史41ジェイミー・ジョージ69
3番為房 慶次郎ジョー・ヘイズ7
4番リーチ・マイケル84マロ・イトジェ56
5番ワーナー・ディアンズ11ジョージ・マーティン9
6番福井 翔大3イーサン・ルーツ3
7番ベン・ガンター8トム・カリー50
8番テビタ・タタフ16ベン・アール25
9番小山 大輝ラフィ・クワーク2
10番松田 力也37ジョージ・フォード91
11番ジョネ・ナイカブラ8イマニュエル・フィビ・ワボソ4
12番シオサイヤ・フィフィタ13ルーク・ノースモア
13番ディラン・ライリー18ヘンリー・スレイド34
14番長田 智希7トム・ローバック
15番山沢 拓也6フレディ・スチュワート31
チーム総キャップ数252チーム総キャップ数456
cp=キャップ数 B&Iライオンズは含まず

まずはFW、フロントローからですが、(ここから敬称略)迷ったのは岡部と茂原、坂手と原田の2人。ですが勝ちに行く事をエディ自ら明言しているこのイングランド戦、経験値のある岡部と原田を起用と予想します。

次にLO,FLですが、ここが正直1番迷いました。リーチとワーナーは当然入るとして、アマトも捨てがたいんですよね、優先順位としては①リーチ②ディアンズ③アマトで8番にはおそらくタタフが入るのでならばFLはというとガンターは確定として相棒枠が空いています。ここにアマトが入るのか、福井が入るのかはたまたエディさんお気に入りの下川や山本が入るのか、正直宮崎合宿の成果次第でわかりません。が、迷ったんですけれどもリーグワンでチームがプレーオフ決勝まで進み、まだ24歳という若さの福井をスターターに予想します。

ハーフバック団にはまず”今最も一貫性のあるプレーをしている”とエディに言わしめた初キャップ小山、10番には経験値豊富な松田を選出。エディも会見でFB山沢と2人がファーストキャッチャーになれる事がメリットと発言していることからもこの想定かと思います。

両CTBにはシオサイヤフィフィタとディランライリー。ここはおそらくケガがなければこの2人でしょう。フィフィタの突破力とライリーの爆発的なスピード、広いDFレンジは日本の武器です。

ウィングには今最も脂の乗った選手のジョネと昨季の新人王長田、FBには熊谷のファンタジスタこと山沢拓也を選出。長田の枠をツイドラキ選手にすることもありうると思うのですが、個人的に両ウイングをパワーやスピード系でまとめてしまうとどうしても試合で粗が出てしまうことが多いと思っています。事実去年のジェイミーの采配は見事に外れてます(あれに納得感あった人もいないと思いますが)…なので一人はミスが少なく、プレーが安定した選手を選出すると思いますので、長田が適任かと思います。FBに関しては今季好調だった高橋もいますが、山沢と比較するとキックの能力で山沢に軍配があがると思っています。あとはケガだけですね…

最後にそのチームの経験値を測る目安となる総キャップ数ですが、ここはイングランド代表が456、エディジャパンが252と圧倒的です。これは前回のWRで高齢なメンバー構成で挑んだジェイミーの功罪も大きいですが、4年後を見据えればポジティブな要素と見れます。しっかりとここから経験値を積んで、この中から100キャップ越えのレジェンドが生まれてくることに期待しましょう!

ここまでお読みいただきありがとうございました!

さて次回は予想したメンバーの元、【超速ラグビー】を掲げる新生エディジャパンがどのようにイングランドと戦っていくのか、予想してみようと思います!

それではまた、See you next time!